竹田青嗣『自分を知るための 哲学入門』(ちくま学芸文庫)

 

「哲学」なんて言われたら、仰々しくて…ちょっと敬遠しちゃう。

多くの人がたぶんそうですよね。

 

 

「人は何のために生まれたのか?」

「芸術とはなにか?」

「〈善〉とはなにか?」云々。

……たしかに、頭が痛くなりそうです。

 

 

 

もっとシンプルで、わかりやすいことなんじゃないか。なんて思ったりもしますし、難しいことを、むずかしく考えて、昔の暇人たちが(失礼)、インテリぶって考えていたことなんじゃないか。

それも、まちがってもないように思います。

そんなことを考えている暇があれば、具体的に手を動かし、何かを生産していかなければならない社会の中で我々は生きています。

 

 

でも、一方で、そんな社会に生きているからこそ、ふと、立ち止まって考えてみることも必要なのかも知れません。

 

就活生のみなさん、自分の「幸せ」って何か…掴めていますか?

学生さん、今の自分、好きですか?

将来に悩むみなさん、あなたの描く「将来」ってなんですか?

 

 

「哲学」は、普遍的な問題にも嬉々として対峙します。普遍的であるがゆえに、身近さに欠けてしまいます。

しかし、普遍的であるということは、「あなたにも当てはまる」ということはでもありますよね。

 

難しくとらえることはありません。

 

 

〈哲学〉とは、〈自分について考えること〉なのです。

先人たちが、自己を了解していくために必死考えた道筋は、我々にも同じように、了解していく筋道になります。

だから、今回紹介する、『自分を知るための 哲学入門』は、哲学の本でありながら、〈自分を知るための〉なのです。

 

tetsugaku

この本は、6章からなります。

後半は先ほど申し上げた〈普遍的な〉テーマにも踏み込んでいるため、たしかに少々難しいです。

全部読もうとせずに、まずは、2章まで読んでいただければ、「自分知る」糸口は掴んでいただけるのではないかと思います。

 

しかし、おそらく…

 

そこまで読んでしまったら、最後まで読んでしまうことでしょう。笑